とても良い経験でした。
昨年、教職員の方に向けての情報モラルについて講演させていただきました。
ご参加いただいた先生からご依頼をいただき、
今年の夏に、勤務なさっている中学校の全校生徒に向けて再度講演を行いました。
暑い体育館の中、全校生徒及びご父兄の方はとても熱心に聴いて下さいました。
小学生、中学生がパソコンやスマートフォンなどネット環境の中で
どのようなことに注意し、どのような向き合い方をすればよいのか。
その中でご紹介した一つに「デジタル万引き」があります。
本屋さんで雑誌や書籍を見て、興味のある本を購入する。
パラパラと目次や内容を見るのは、デパ地下の試食と同じ感覚です。
デパ地下の試食コーナーでおなか一杯食べて食事を終了する人いますか?
そんなことしたら、「なんて人だろう!」「いい加減にしてください!」となるでしょう。
でも、警察に捕まるような罪でしょうか?
本屋さんで本を購入しないで、知りたいページのみをスマホのカメラでパチリ!
これって、どう?
本を万引きしたら警察に捕まるけど、中身をカメラで盗んでも警察には捕まらないから、やっていいこと?
情報化社会のなかでは、こういったケースがたくさんあります。
そこで重要になるのが「モラル」なんです。そう、道徳心。
これは、ネット社会以前の「人」としての倫理観の問題です。
皆が見たいページだけカメラでパチリとやって本を購入しなければ本屋さんはどうなりますか?
サービスで試食を出しているのに、食品を購入する気なく、たくさん試食していたらどうなりますか?
サービスをサービスではなく自分本位に利用してしまう、これでは社会は成り立ちません。
義務を果たさず権利ばかり主張する人間になってしまいます。
このほか、ネット閲覧上での注意点やSNS投稿時の写真の撮り方に対する注意点などをお話させていただきました。
ご父兄向けに用意した内容でしたが、当日生徒向けの内容で!といわれ、慌てましたけど。
が、そこの中学校の生徒は大変お行儀がよく、居眠りする子も、雑談する子も一人もいない。
壇上から見下ろす学生は皆熱心に私の話を聞いてくれていました。
中には、うなずきながら、目をらんらんとさせながら、という生徒もいました。
普段、こんなにたくさんの子供たちと触れ合う機会がないので
講演終了後は、とてもすがすがしい気持ちになりました。
川沿いにある学校からの帰り、橋の上で川を眺めなながら、
口先ばかりではなく、子供たちから憧れられるような大人にならなくっては!
と、心に強く思った夏の一日でした。